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2026/1/17

SAP Introduction #5|SAP導入はITプロジェクトではない

SAP導入はITプロジェクトではなく、業務改革・経営改革のプロジェクトである。その理由と、成功に必要な視点を解説する。

SAPSAP導入ERPDX業務改革ITコンサル

はじめに

SAP導入の話をすると、
次のような言葉を聞くことがあります。

  • 「IT部門で進めてもらえますよね?」
  • 「システムの話なので、業務側はあとで調整します」
  • 「とりあえず切り替えられれば大丈夫です」

これらは一見、
自然な発言に聞こえるかもしれません。

しかし、
この考え方こそがSAP導入を難しくする最大の要因
でもあります。

本記事では、
なぜSAP導入が
ITプロジェクトではないのか
その理由を整理します。

1. ITプロジェクトとSAP導入の決定的な違い

一般的なITプロジェクトでは、
以下のような流れが多く見られます。

  • 要件を決める
  • システムを作る
  • テストして切り替える

しかしSAP導入では、
この考え方がそのまま当てはまりません。

なぜならSAPは、
業務そのものを定義するシステム
だからです。

画面や機能を作ることよりも、

  • 業務をどう回すか
  • ルールをどう統一するか
  • 判断基準をどう揃えるか

が先に来ます。

2. SAP導入で本当に変わるもの

SAP導入で変わるのは、
システム画面だけではありません。

  • 業務の流れ
  • 権限と責任の所在
  • 判断スピード
  • 数字の見え方

つまり、
組織の動き方そのものが変わります。

これはIT部門だけで
完結できる話ではありません。

3. なぜIT部門任せにすると失敗するのか

SAP導入を
IT部門主導で進めた場合、
次のような問題が起きがちです。

  • 業務要件が固まらない
  • 判断が先送りされる
  • 導入後に「聞いていない」が発生する

IT部門はシステムの専門家であって、
業務や経営判断の最終責任者ではありません。

そのため、

  • 業務を変える判断
  • 標準に合わせる決断

を下しきれず、
プロジェクトが停滞します。

4. SAP導入の本当の主体は誰か

SAP導入の主体は、
IT部門でも、コンサルでもありません。

業務部門と経営です。

  • 業務部門:現実を知っている
  • 経営:意思決定の責任を持つ

この2者が前に出ない限り、
SAP導入は「形だけの導入」になります。

IT部門やコンサルは、
あくまでそれを支える存在です。

5. 成功するSAP導入のプロジェクト像

うまくいくSAP導入には、
共通した特徴があります。

  • 経営が「なぜSAPを入れるのか」を語れる
  • 業務部門が主体的に関与している
  • IT部門が全体を整理・調整している
  • SAP標準を前提に議論している

ここで重要なのは、
誰か一人が頑張る構図ではない
という点です。

役割が整理され、
適切に分担されているプロジェクトほど、
安定して進みます。

6. SAP導入は「業務改革プロジェクト」である

SAP導入を一言で表すなら、
業務改革プロジェクトです。

  • 業務を見直す
  • 無理や無駄を減らす
  • 再現性のある形にする

この過程を避けて、
SAPだけを導入することはできません。

逆に言えば、
業務改革を進めたい企業にとって、
SAPは非常に相性の良い基盤です。

7. SAP導入で問われる覚悟

SAP導入で本当に問われるのは、
技術力でも、予算でもありません。

  • どこまで変われるか
  • どこまで標準に合わせるか
  • 誰が責任を持つか

こうした問いに、
組織として向き合えるかどうかです。

SAPは、
その覚悟を可視化してしまうシステム
とも言えます。

おわりに

SAP導入は、
ITプロジェクトではありません。

会社の意思決定と業務の在り方を問うプロジェクト
です。

この前提を共有できたとき、
SAPは初めて
「高いシステム」ではなく
「意味のある投資」になります。

次回は、
「SAPコンサルタントは何をしているのか?」
というテーマで、
導入を支える側の役割について解説します。

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