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2026/1/16

SAP Introduction #4|SAP導入が失敗する本当の理由

SAP導入が失敗すると言われる理由は何か。システムではなく、導入の進め方に潜む本当の失敗要因を、導入現場の視点から解説する。

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はじめに

「SAP導入は失敗しやすい」

そういった話を、
一度は聞いたことがあるかもしれません。

  • 導入が長期化した
  • 予定よりコストが膨らんだ
  • 現場に定着しなかった

確かに、
SAP導入がうまくいかなかった事例は存在します。

しかし重要なのは、
それが本当に「SAPというシステムの問題」なのか
という点です。

本記事では、
SAP導入プロジェクトにおいて
繰り返し見られる「失敗の本質」を整理します。

1. 失敗の原因は「SAP」ではない

結論から言うと、
SAP導入が失敗する原因の多くは
SAPそのものではありません

失敗の正体は、
以下のような要素にあります。

  • 導入目的が曖昧
  • 業務を変える覚悟がない
  • プロジェクトの進め方に無理がある

SAPは、
「入れれば何とかしてくれる魔法の箱」
ではありません。

どう使うか、どう向き合うか
がすべてです。

2. よくある失敗パターン①
導入の目的が共有されていない

SAP導入プロジェクトで、
最も多い失敗要因の一つが
目的の不一致です。

  • 経営:内部統制を強化したい
  • 経理:決算を早くしたい
  • 現場:今の業務を変えたくない
  • IT:とにかくシステムを切り替えたい

この状態でプロジェクトを進めると、
意思決定がブレ続けます。

結果として、

  • 要件が膨らむ
  • 判断が遅れる
  • 不満だけが残る

という状況に陥ります。

3. よくある失敗パターン②
現行業務をそのまま再現しようとする

「今の業務をそのままSAPで再現したい」

これは非常によく聞く要望ですが、
失敗の入り口でもあります。

SAPは、

  • 標準化
  • 再現性
  • 統制

を重視して設計されています。

現行業務を無理に再現しようとすると、

  • アドオンが増える
  • 保守が難しくなる
  • 将来の拡張性が失われる

結果として、
SAPの強みを自ら捨てることになります。

4. よくある失敗パターン③
Fit & Gapを「Gap探し」にしてしまう

Fit & Gap分析は、
SAP導入において重要なプロセスです。

しかし現場では、
これが次のように誤解されがちです。

「SAPに合わない部分(Gap)を洗い出す作業」

本来のFit & Gapは、

  • Fit:SAP標準でできること
  • Gap:業務を変えるか、拡張するか判断する材料

です。

Gapを埋めることが目的ではありません。

「業務を変えるか」「システムを変えるか」
を判断するためのプロセス

であることを忘れると、
プロジェクトは迷走します。

5. よくある失敗パターン④
SAP導入をIT部門任せにする

SAP導入は、
単なるITプロジェクトではありません。

それにもかかわらず、

  • IT部門が主導
  • 業務部門は受け身
  • 経営は進捗報告を見るだけ

という体制で進めてしまうケースがあります。

この場合、

  • 業務要件が固まらない
  • 意思決定が遅れる
  • 導入後に不満が噴出する

といった問題が起きやすくなります。

6. 成功するプロジェクトに共通すること

一方で、
SAP導入がうまくいくプロジェクトには
共通点があります。

  • 導入目的が明確
  • 経営が意思決定に関与している
  • 業務を見直す前提で進めている
  • SAP標準を理解し、尊重している

これらは特別なことではありません。

当たり前のことを、当たり前にやっている
だけです。

7. SAP導入で本当に問われるもの

SAP導入で問われるのは、
ITスキルや製品知識だけではありません。

  • 会社として何を変えたいのか
  • どこまで標準に合わせられるのか
  • 経営としてどう関与するのか

こうした問いに、
きちんと向き合えるかどうかです。

SAP導入は、
会社の意思決定の質を映し出す鏡
とも言えます。

おわりに

SAP導入が失敗する理由は、
SAPが難しいからでも、
SAPが高いからでもありません。

向き合い方を間違えるから
失敗するのです。

逆に言えば、
正しい視点と進め方を持てば、
SAPは非常に強力な経営基盤になります。

次回は、
「SAP導入はITプロジェクトではない」
というテーマで、
さらに一段踏み込んだ視点から解説します。

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