🐳⚡💻
2025/8/23

開発環境比較検証:Native vs Docker での開発体験の違い(VM環境は準備中)

異なる開発環境(Native、Docker)での開発パターンを比較検証した結果をまとめました。VM環境の比較は現在準備中です。セットアップの複雑さ、環境の一貫性、パフォーマンスなど、実践的な観点から詳しく解説します。

Docker開発環境比較検証Node.jsPostgreSQL

はじめに

このプロジェクトは、異なる開発環境(Native、Docker、VM)での開発パターンを比較検証することを目的としています。現在は、Native環境とDocker環境の比較結果のみをまとめており、VM環境の検証は今後の課題として残っています。

プロジェクト概要

現在完了している部分:Native環境とDocker環境で同じTODOアプリケーションを実装し、以下の仕様で比較検証を行いました:

  • フレームワーク: Express.js
  • データベース: PostgreSQL
  • API エンドポイント: GET /todos(TODO一覧取得)、POST /todos(新しいTODO作成)
  • ポート: 3000番

環境別セットアップ比較(現在完了分)

Native環境

Native環境でのセットアップは以下の手順で行いました:

# 必要なソフトウェアのインストール
brew install postgresql
brew services start postgresql

# プロジェクト初期化
npm init -y
npm install express pg

# データベース設定
createdb todo_app
psql -d todo_app -c "CREATE TABLE todos (id SERIAL PRIMARY KEY, task TEXT);"

Docker環境

Docker環境でのセットアップは以下の手順で行いました:

# 必要なソフトウェアのインストール
# Docker Desktopのみ必要

# プロジェクト初期化
npm init -y
npm install express pg

# コンテナ化設定
# Dockerfileとdocker-compose.ymlを作成

詳細比較結果(Native vs Docker)

項目 Native環境 Docker環境
セットアップの複雑さ 中(OS依存の設定が必要) 低(Dockerのみ)
環境の一貫性 低(OS依存) 高(コンテナ化)
依存関係管理 手動(brew、npm) 自動(Dockerfile)
データベース設定 手動(PostgreSQL設定) 自動(docker-compose)
起動時間 短(直接実行) 中(コンテナビルド)
リソース使用量 低(直接実行) 中(コンテナオーバーヘッド)
開発者体験 シンプル 統一された環境
本番環境との差異 大(環境依存) 小(コンテナ化)

パフォーマンス比較(Native vs Docker)

起動時間

  • Native: ~1秒(直接実行)
  • Docker: ~30秒(初回ビルド時)、~5秒(2回目以降)

メモリ使用量(実測値)

  • Native: ~38MB(Node.js + Express)
  • Docker: ~38MB(アプリコンテナ20MB + DBコンテナ18MB)

ディスク使用量(実測値)

  • Native: ~4.7MB(プロジェクト全体、node_modules: 4.6MB)
  • Docker: ~846MB(アプリイメージ196MB + PostgreSQLイメージ650MB)

メリット・デメリット分析

Native環境

メリット:

  • シンプルなセットアップ
  • 高速な起動
  • リソース使用量が少ない
  • 直接的なデバッグが可能

デメリット:

  • OS依存の設定が必要
  • 環境の一貫性が保ちにくい
  • チーム間での環境差異が生じやすい
  • 本番環境との差異が大きい

Docker環境

メリット:

  • 環境の一貫性が高い
  • 依存関係の管理が自動化
  • チーム間での環境統一が容易
  • 本番環境との差異が小さい
  • マイクロサービスアーキテクチャに適している

デメリット:

  • 学習コストが高い
  • コンテナオーバーヘッド
  • ビルド時間がかかる
  • デバッグが複雑になる場合がある

推奨用途

Native環境が適している場合

  • 個人開発・学習
  • シンプルなプロトタイプ
  • リソースが限られた環境
  • 高速な開発サイクルが必要

Docker環境が適している場合

  • チーム開発
  • マイクロサービスアーキテクチャ
  • CI/CDパイプライン
  • 本番環境との一貫性が重要
  • 複数のサービスを統合

現在の結論(Native vs Docker)

現在完了しているNative環境とDocker環境の比較では、両環境とも同じTODOアプリケーションを正常に動作させることができましたが、開発体験と運用面で大きな違いがあります。

  • Native環境は、シンプルで高速な開発に適しており、個人開発や学習用途に最適です。
  • Docker環境は、チーム開発や本番環境との一貫性が重要な場合に適しており、現代的な開発プラクティスに合致しています。

注意:VM環境の比較検証はまだ完了していません。完全な3環境比較は今後の更新で提供予定です。

今後の予定

進行中:VM環境での開発パターン実装と3環境の包括的比較を準備中です。

  • VM環境での開発パターン実装 - 現在準備中
  • 3環境の包括的比較 - Native vs Docker vs VM
  • パフォーマンスベンチマーク - 3環境での詳細な性能測定
  • セキュリティ比較 - 各環境のセキュリティ特性分析
  • 運用コスト比較 - 開発・運用コストの定量的評価

参考リンク

この検証で使用したリポジトリは GitHub - kmh-no3/Container_VM で公開されています。

関連記事