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2025/8/23
開発環境比較検証:Native vs Docker での開発体験の違い(VM環境は準備中)
異なる開発環境(Native、Docker)での開発パターンを比較検証した結果をまとめました。VM環境の比較は現在準備中です。セットアップの複雑さ、環境の一貫性、パフォーマンスなど、実践的な観点から詳しく解説します。
Docker開発環境比較検証Node.jsPostgreSQL
はじめに
このプロジェクトは、異なる開発環境(Native、Docker、VM)での開発パターンを比較検証することを目的としています。現在は、Native環境とDocker環境の比較結果のみをまとめており、VM環境の検証は今後の課題として残っています。
プロジェクト概要
現在完了している部分:Native環境とDocker環境で同じTODOアプリケーションを実装し、以下の仕様で比較検証を行いました:
- フレームワーク: Express.js
- データベース: PostgreSQL
- API エンドポイント: GET /todos(TODO一覧取得)、POST /todos(新しいTODO作成)
- ポート: 3000番
環境別セットアップ比較(現在完了分)
Native環境
Native環境でのセットアップは以下の手順で行いました:
# 必要なソフトウェアのインストール
brew install postgresql
brew services start postgresql
# プロジェクト初期化
npm init -y
npm install express pg
# データベース設定
createdb todo_app
psql -d todo_app -c "CREATE TABLE todos (id SERIAL PRIMARY KEY, task TEXT);"
Docker環境
Docker環境でのセットアップは以下の手順で行いました:
# 必要なソフトウェアのインストール
# Docker Desktopのみ必要
# プロジェクト初期化
npm init -y
npm install express pg
# コンテナ化設定
# Dockerfileとdocker-compose.ymlを作成
詳細比較結果(Native vs Docker)
項目 | Native環境 | Docker環境 |
---|---|---|
セットアップの複雑さ | 中(OS依存の設定が必要) | 低(Dockerのみ) |
環境の一貫性 | 低(OS依存) | 高(コンテナ化) |
依存関係管理 | 手動(brew、npm) | 自動(Dockerfile) |
データベース設定 | 手動(PostgreSQL設定) | 自動(docker-compose) |
起動時間 | 短(直接実行) | 中(コンテナビルド) |
リソース使用量 | 低(直接実行) | 中(コンテナオーバーヘッド) |
開発者体験 | シンプル | 統一された環境 |
本番環境との差異 | 大(環境依存) | 小(コンテナ化) |
パフォーマンス比較(Native vs Docker)
起動時間
- Native: ~1秒(直接実行)
- Docker: ~30秒(初回ビルド時)、~5秒(2回目以降)
メモリ使用量(実測値)
- Native: ~38MB(Node.js + Express)
- Docker: ~38MB(アプリコンテナ20MB + DBコンテナ18MB)
ディスク使用量(実測値)
- Native: ~4.7MB(プロジェクト全体、node_modules: 4.6MB)
- Docker: ~846MB(アプリイメージ196MB + PostgreSQLイメージ650MB)
メリット・デメリット分析
Native環境
メリット:
- シンプルなセットアップ
- 高速な起動
- リソース使用量が少ない
- 直接的なデバッグが可能
デメリット:
- OS依存の設定が必要
- 環境の一貫性が保ちにくい
- チーム間での環境差異が生じやすい
- 本番環境との差異が大きい
Docker環境
メリット:
- 環境の一貫性が高い
- 依存関係の管理が自動化
- チーム間での環境統一が容易
- 本番環境との差異が小さい
- マイクロサービスアーキテクチャに適している
デメリット:
- 学習コストが高い
- コンテナオーバーヘッド
- ビルド時間がかかる
- デバッグが複雑になる場合がある
推奨用途
Native環境が適している場合
- 個人開発・学習
- シンプルなプロトタイプ
- リソースが限られた環境
- 高速な開発サイクルが必要
Docker環境が適している場合
- チーム開発
- マイクロサービスアーキテクチャ
- CI/CDパイプライン
- 本番環境との一貫性が重要
- 複数のサービスを統合
現在の結論(Native vs Docker)
現在完了しているNative環境とDocker環境の比較では、両環境とも同じTODOアプリケーションを正常に動作させることができましたが、開発体験と運用面で大きな違いがあります。
- Native環境は、シンプルで高速な開発に適しており、個人開発や学習用途に最適です。
- Docker環境は、チーム開発や本番環境との一貫性が重要な場合に適しており、現代的な開発プラクティスに合致しています。
注意:VM環境の比較検証はまだ完了していません。完全な3環境比較は今後の更新で提供予定です。
今後の予定
進行中:VM環境での開発パターン実装と3環境の包括的比較を準備中です。
- VM環境での開発パターン実装 - 現在準備中
- 3環境の包括的比較 - Native vs Docker vs VM
- パフォーマンスベンチマーク - 3環境での詳細な性能測定
- セキュリティ比較 - 各環境のセキュリティ特性分析
- 運用コスト比較 - 開発・運用コストの定量的評価
参考リンク
この検証で使用したリポジトリは GitHub - kmh-no3/Container_VM で公開されています。